お知らせ

4.292015

都心のタワーマンション、大地震に備える知識 !!

アベノミクスや2020年の東京五輪を受けて、都心ではタワーマンション建設が進んでいる。ところが、さくら事務所に相談に来る依頼者の多くがその「耐震性」を非常に気にしている。大型の地震に見舞われた際の漠然とした憂慮、といったところだ。

■地震によって揺れ方異なる

地震による建物の揺れはとても複雑で、地震と建物の関係はまだまだ解明されていない部分が多いのが実情だ。

1995年の阪神大震災は「直下型地震」で、短周期の小刻みな激しい揺れが建物や構造物に大きな被害をもたらしたのは記憶に新しい。一方、2011年の東日本大地震はいわゆる、「海溝型地震」で、その際、震源から遠く離れた東京で観測されたのは、周期2秒以上の大きくゆっくり続く「長周期地震動」といわれる横揺れだった。

長周期地震動は特に、共振で大きく揺れる性質をもっている建物、例えば高さが60メートル超、20階建て超の、固有周期の長い超高層建築物や免震建築物への影響が大きいと考えられている。この地震動が構造物がもつ固有周期と共鳴し、横への揺れ幅が格段に大きくなることが危惧されている。

規模が大きい地震ほど、長周期地震動がより多く発生し、さらに地表から地下深くまでの堆積層の影響で長周期地震動はより増幅する。このため巨大地震が発生したときは東京、大阪、名古屋のように堆積層の厚い平野部などで大きな影響が出やすいと考えられている。

■関東平野で揺れが増幅

関東平野は軟らかい堆積物に広く覆われている。いわば固い岩盤の上に軟らかい豆腐が載っているような状態といえばわかりやすいだろう。ゆっくりとした揺れは、震源地から遠く離れた地域まで伝わってもあまり弱まることはない。東日本大震災では、遠くの震源から伝わってきた揺れが関東平野に入ると増幅され、いつまでも平野の中に揺れが残るといった状態であった。

東日本大震災の直後に、高層マンションの住民に行ったヒアリングでは、「だんだん揺れが大きくなり、地面の揺れがおさまってからも、しばらく揺れていた」との感想を複数聞いた。

新宿のある高層ビルでは、制震装置が揺れを吸収したものの、それでも地震の揺れが収まってから10分間程度にわたって最長1メートル幅で建物がゆっくり左右に揺れ続けた。

東京都中央区の37階建てマンションでは、揺れの激しかった上層階よりも20階部分で損傷が起きた。中層階が損傷した原因は、2次モードと呼ばれる第2波の揺れの影響が指摘されている。建物全体が大きくゆっくりと揺れ続けているところに、次の揺れの波が襲い、ちょうどビルが「く」の字に腰をくねらせるように複雑な形に揺れたことが原因とされている。

 

我が国では大地震のたびに建築基準法が見直され、安全基準を作ってきた経緯があり、世界的に見ても地震対策が進んでいるといえる。それでも地震という自然がもたらす災害を、建物といったハードだけで百パーセントカバーすることは、どんな技術をもっても難しいのだということを、覚えておこう。

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